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書道・習字

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書道



日本の書道をご紹介します。
書道とは、書くことによって文字の美しさを表す造形芸術です。

書道の歴史
元々日本には独自の文字はありませんでした。ですから、書の歴史は、文字の歴史でもあります。

飛鳥時代に中国から漢字が伝来し、続いて仏教が伝来します。そして、経典を書き写す写経が広まり、書が発展していきました。また奈良時代から平安初期にかけて、遣隋使・遣唐使によって中国文化が入ってきたため、中国の書が模範となりました。

しかしその後、唐の衰退により遣唐使が廃止され、国風文化の確立により「かな」が誕生しました。最初に、漢字を使用して日本語の音を表す「万葉仮名(まんようがな)」(「真仮名(まがな)」とも言います)が生まれました。万葉仮名の数は1000近くにもなります。その後、漢字を和様化し、万葉仮名を草書体で美しく表現した「草仮名(そうがな)」が作られました。また万葉仮名の一部を利用して「片仮名(カタカナ)」が、万葉仮名を簡略化・記号化して「平仮名(ひらがな)」が誕生します。

鎌倉時代には再び中国から書が伝来しました。「墨蹟(ぼくせき)」と呼ばれる禅僧の力強い書は日本の書道界にインパクトを与え、日本の書は大きく和様と唐様に二分されていきます。また、この頃、実用性を重視する「漢字かな混じり文」も一般化します。

室町時代には書道は勢いを失いますが、安土桃山時代には、茶の湯の誕生と共に、茶室に古筆(平安時代から鎌倉時代に書かれた名筆)を飾るようになります。

これまで書道は、貴族や上流階級の文化でしたが、江戸時代に入り、全国に寺子屋が設置されると、書道は一般庶民にも普及していきます。儒者や文人・学者は唐様を好みましたが、公家・武家・一般庶民には和様が広まりました。

明治時代には、宮中や役所の文書が唐様で書かれました。また、建碑ブームが起こり、全国各地に碑が建てられました。

明治中期頃から様々な書道会が結成されましたが、大正時代に入ると書道団体が誕生し、毎年展覧会が開かれるようになりました。

現在の義務教育では、小学校3年生以上の授業で、毛筆の書の指導が行われています。

書道のやり方
次の道具を使います。
硯(すずり):石や瓦で作られる直方体の道具。墨を磨る高い部分(丘)と、墨を溜める窪み(海)から成る。
墨(すみ):油煙などから採取した煤を膠で固めたもの。既に磨ってある墨汁も市販されている。
毛筆:竹や木などの軸の先に、動物の毛の束を付けた筆記具。使う毛によって剛毛(馬、イタチ、狸等)、柔毛(羊、猫、リス等)などの違いがある。
:ガンピ、コウゾなどを漉いて作る。かつては手漉きの和紙を使っていたが、現在では機械で大量生産される。
文鎮(ぶんちん):紙を固定するための重り。
毛氈(もうせん):紙の下に敷く下敷き。

硯の海の部分に水を入れ、水と混ぜながら硯の陸の部分で墨を磨ります。
書道の道具
下敷きの上に紙を載せ、文鎮で固定します。
毛筆を墨に浸し、紙の上に文字を書きます。
楷書の場合は筆を八分目まで下ろし、草書の場合は根元まで下ろして書きます。

書の種類
書体の種類

楷書:一画一画、筆を紙から離して書く、活字体のような文字
行書:続け書きによって、楷書より字が崩れるが、一般に判読は十分可能
草書:字画の省略が行われ、楷書と大きく異なる。知らないと読み書きは困難

臨書(手本を見ながら書くこと)には、次のような方法があります。
形臨:字形を真似ることに重点をおく
意臨:筆者の意図を汲み取ることに重点をおく
背臨:手本を記憶し、記憶を頼りに見ないで書く

書法の三大要素
筆法
:筆の使い方のことで、腕法(腕の構え方で、大き目の字を書くときは右腕を机に付けない。小さい字を書くときは右腕を机に付けたり、左手を枕にする)、執筆法(筆の持ち方で、大きめの字を書くときは人差指と中指を筆管に掛け、小さい字を書くときは人差指だけを筆管に掛ける)、用筆法(点画を書くときの筆の用い方や筆遣い)がある。

間架結構法(かんかけっこうほう):楷書を主体とした造形理論で、点画の間隔や点画の組み合わせ方を考えて、つり合いよく造形する方法。

布置章法(ふちしょうほう):文字の配置具合により作品全体の構図や構成を決め、変化と調和のある書作品にすること。



白氏詩巻(はくししかん) 平安時代
 藤原行成 (東京国立博物館蔵)



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