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日本の絵画ここでは、国宝の中の「絵画」についてご紹介します。 国宝に指定されている絵画には仏画、絵巻物、肖像画、水墨画、障壁画など様々な分野のものがあります。日本画の特徴を一言でまとめるのは困難ですが、明治初期にアメリカから来日したフェノロサは、次のように特徴づけました。 1.写真のような写実を追わない 2.陰影が無い 3.鉤勒(こうろく、輪郭線)がある 4.色調が濃厚でない 5.表現が簡潔である。 こうした特徴が、19世紀後半のヨーロッパで印象派に影響を与えたとも言えます。 では、国宝の分類ごとに作品を見ていきましょう。 古墳壁画 高松塚古墳壁画が、唯一の国宝指定壁画です。 藤原京期(694−710年)の古墳内に描かれた壁画です 。石の上に塗られた漆喰の上に、人物像、神、星座などが 描かれていますが、極彩色の女子群像は 「飛鳥美人」とも呼ばれる大変美しいものです。 仏画・垂迹画 仏画とは仏教絵画、 垂迹画とは本地垂迹説(神は仏の化身だという考え) に基づいて描かれた絵画です。 次のようなものがあります。 仏の涅槃図(釈迦が亡くなったときの様子を描いたもの) 諸仏を描いたもの(如来、菩薩、明王など) 曼荼羅図(仏教、特に密教において聖域、仏の悟りの境地、 世界観などを仏像、シンボル、文字などを用いて視覚的・ 象徴的に表わしたもの) 祖師図 祖師図とは、宗派を開いた人(祖師)を描いたものです。 慈恩大師像、聖徳太子及天台高僧像(右図)、 親鸞聖人像などがあります。 大和絵・絵巻 大和絵(やまとえ)は中国風の絵画である「唐絵」に対する日本絵画の様式概念で、主に平安時代の国風文化の時期に発達した日本的な絵画を指します。 絵巻とは、日本の絵画形式の1つで、横長の紙(または絹)を水平方向につないで長大な画面を作り、情景や物語などを連続して表現したものです。絵画とそれを説明する詞書が交互に現われるものが多いですが、絵画のみのものもあります。絵巻も大和絵の一種です。 「源氏物語絵巻」は、 紫式部が書いた「源氏物語」を題材にした絵巻で、 藤原隆能が平安時代末期に描いたとされるものが 国宝に指定されています。当時の貴族の生活が 描かれた貴重な歴史資料でもあります。 「鳥獣人物戯画」は、 ウサギ・カエル・サルなどが擬人化して描かれたもので、 日本最古の漫画とも言われます。 12-13世紀の作と考えられています。 肖像画 肖像画は、天皇や将軍を描いたものの一部が国宝に指定されています。 水墨画及び近代絵画 水墨画とは、墨一色で表現される絵画で、墨線だけでなく、墨を面的に使用して、ぼかしで濃淡・明暗を表したりもします。中国で唐代後半に山水画の技法として成立し、禅宗の普及に伴い、禅宗的故事人物画が水墨で描かれました。日本には鎌倉時代に禅とともに伝わり、「達磨図」など禅の思想を表すものでしたが、徐々に変化を遂げ、風景を描く山水画も描かれるようになりました。 室町時代から江戸時代にかけては、狩野永徳ら狩野派や、俵屋宗達、尾形光琳を中心とする琳派によって、華やかな屏風絵が描かれました。 「松林図」長谷川等伯 「洛中洛外図」狩野永徳 「燕子花図」尾形光琳 渡来画 国宝に指定されている渡来画は、仏画や山水画を中心に、中国・朝鮮から渡来した絵画です。 |
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